今日立ち話をした相手様の話。その方は、山林で柴犬の多頭飼しているそう。郊外の山林で小屋建てて、太陽光パネルつけて水も引いてとかで、割と本格派の方。聞くとコロナ禍のアウトドアブームの前から整備していたそう。ワンちゃん達が獣の死骸拾ってきてドヤ顔したり、飼い犬同士で喧嘩したりなどの話を楽しく聞かせて頂く。
ここからが本題なのだが、インター近くで交通の便もよさそうな場所で、コロナ禍で近くにもアウトドアで此方も小屋を建てたりバーベキューをしたりなどというので一時期は頻繁に来ていた。しかし流行やブームが終わると悲しいかな、全然寄り付かなくなってしまった模様。自分で整備しないと電気や水道、トイレ無、落雷も結構ある、大雨の際には山付きで結構水もくる場所。熱くなるのも早ければ、冷めるのも早いよう。
最近、不動産の仲介サイトでも山林やアウトドア、家庭菜園用でという数十万位の情報の掲載がかなり多い。流行が終わって処分したいのだろう。固定資産税は他の地目に比べて安いとは言え、面積や接道など条件次第である。専門家ならば多少の手間をかけて字図で隣地の所有者を割り出して調査することも出来るが、そこまで売主や掲載している不動産会社がやっていることは余りないだろう。山林は不動産会社から見れば守備範囲外である。建築が絡まないので建築業法などが適応されない。逆にゴミの投機問題などがあるのでリスクが高い。山林の価値の大部分を含む立木の評価など夢物語である。不動産を購入するのは問題ないが、怖いのは出口、要は土地の処分できるかどうかである。
通常の宅地であれば、相場であればある程度の時間を掛ければ売ることはそんなに難しくない。高いのは難しいが安くすれば早く買い手を見つけることは可能である。山林の売買は現状では9割方、伐採する事を前提として買う音が多い。その為、立っている木の樹種、木の林齢や手入れの状況、実際の伐採・搬出コストなどを考えて出す。パラメーターが複数あるので、業者によって買取単価が変わるのはザラな話である。極端な話お互いが合意すればいいので、知らなければ何とでも出来る面もある。
地元の山林の相談は年に数回ある。殆どは面積が小さい案件である。また他の方の山林を通らないとたどりつけない時もある。実際、見ずに引き受けたケースもある。その場合には申し訳ないが寸志程度で引き受ける時もある。此方も登記手数料、固定資産取得税、固定資産税などが掛かってくる。YouTubeで山王は、お金を付けて引き受ける場合もあるというが、さすがにそこまでする気にはならない。条件の良い山林は先に書いたように市場性もあり、早く決まって伐採されてお金になるケースが多いが、育林メインの此方はそうもいかない。特にもならないのではあるが、地元の森林組合でも所有主が地元を離れている、亡くなって相続がされていないなどで連絡が取れず、必要な手入れが進まない事もある。狭い面積では採算が合わなくても周囲の複数の山林所有者の話がまとまれば、搬出コストも下がりより多くの手残りを出す可能性が増える。世代交代や地元を離れる際に山林をどうするかの相談があり、極力、協力するようにしているが、限度もある。この辺りは民事不介入の行政も少しは考えて貰いたい。
年配の大工さんに聞いたら昔は大体どの家も、自分の家を建て直す分の山林は持っていたようだ。山林の50-60年サイクルで考えれば合理的である。その大工さんにしても切った木を見て選別しながらこの材は柱、この材は桁などで地元の製材所に持ち込んで製材して貰っていたらしい。木造建築と山が今よりもずっと近い場所にある話で、まだ50年前くらいまでは結構あった話である。宮崎の林業家を訪ねた際に、似たようなやり取りをしている場面を見たが、極々限られた地域にしか残っていないだろう。地域材と言われるが一部の神社仏閣などの例外を除けば、地域材しか無かったわけである。
地元で山林を持つ意味は他にもあっただろうが、話を戻すと、レジャーという新たな山林利用に対してのマーケットは供給する方も、需要家もまだまだ未成熟で伸びたり、改善する余地はある。レジャー施設の利用や山林のレンタルなどの方が合理的に思える。アウトドアブームの落ち着いて言うのも後の祭りの気もするが、山林を持つ責任や、要らなくなった時の事は考えて貰いたいものである。